毎年、桃の節句のこの季節になりますと、全国の和菓子屋の例に漏れず雛祭りの和菓子と用意にかかります。西陣界隈では、ご用聞きで各商店や個人の家を回って雛祭り用の桜餅、お団子のご注文を御聞きして回ります。もちろん当日は店頭販売もするのですが、主に着物関係のご商売をされている方を中心に予約、配達をさせていただいております。桜餅やお団子、節句に食べるお菓子は縁起物で、よく、「縁起もんやから毎年食べなあかん」とみなさんおっしゃっいます。お正月にお雑煮を食べるように、毎年子どもの頃からずっと続いているのも、四季や年月を感じる事ができて素敵だなあと思います。
さて、それとは他に上生菓子でも、桃の節句、雛祭りに関係する物も多く作られます。今年は、ひし餅を模した落雁、お団子を模した州浜団子を御つけして、おひな様とお内裏様を御作りさせて頂きました。

毎年ご注文頂いていますご家庭の中には、子どももいないから、ひな人形を出すのは大変だからと、代わりに御使い頂いているそうです。

着物は二層になったこなしの生地を薄く伸ばしてキレイに切ってあります。
京菓子では練切りは、一つ一つ手作業で形を作ることが多いため、極端な直線はあまり見慣れないのですが、裾の感じの柔らかさをご覧頂ければと思います。干菓子、特に州浜のお団子は、良く御見かけされる形だとは思いますが、余分な物を加えず砂糖と水飴とすはま粉だけで手作りしております。
店頭引き渡しでも三月いっぱいまで御使い頂けますようご予約承っております。
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