昨日に引き続き茶器のお話。朝日焼のご紹介です。
宝瓶(ほうびん)は、急須の一種。絞り出しともいわれる。基本的に玉露を入れるときに使用し、紅茶や中国茶をいれる時には使用しない。
形状の特徴として、取っ手がないことが挙げられる。また通常の急須と比較して注ぎ口が大きい。本来お茶を入れる道具に取っ手がないとやけどの原因になるが、宝瓶を使う玉露などのお茶は抽出温度が低く摂氏60度前後のため、問題にならない。また、取っ手がないことから携帯に適しているとして、旅行用の煎茶道具によく使われる。
起源については諸説有るが、中国茶を抽出する道具の一種「蓋椀」(がいわん)が元になったという説がある。
煎茶道具の中に取ってのないものがあり、かっこいいとおもっていたのですが、物の形にはその形になった理由があるもので、上記のように特に低温で抽出するお茶を飲む時に使うものだそうです。
せっかくいい御煎茶を飲むのだからと、普段使い用に買い求めました。
宝瓶といってもいろいろな種類がありますが、京都のお茶を飲むには京都の物がいいなと捜していた所、朝日焼の宝瓶に出会いました。

地味な色にみえますが、細かい粒子でピンクが入っていて、大変可愛らしい形をしています。取っ手の渦巻きぐあいがいいですね。
また、こちらの朝日焼の特徴は

こちらのように、茶こし穴がびっしりと開いています。
通常のこのサイズのものですと50個程の穴だそうです(手元にある有田焼の物は35個)また、穴のサイズは1.5mmだそうで、穴の多さは最後の一滴まで確実に絞り出すため、穴の小ささは余計な茶葉が流れるのを防ぎ、また、玉露などのとろみをせき止めないギリギリのサイズだそうです。これは、朝日焼の特徴で、他には萩焼でこの手法を真似たものはあるそうですが、その土地に根付いたお茶はその土地で根付いた飲み方をされるため、茶器もその機能に特化していった歴史を含めステキな茶器だと思います。
それにしてもこの機能美。美しいかぎりです。

実は骨董で手に入れまして、まるで土に埋まっていたかのように穴も茶渋でうまっていました。陶器の扱いは全くの素人ですが、一晩水につけたり三日かかりで磨いたりこすったりしてピカピカになりました。

せっかくなのでいい玉露を買って来て使ってみたいと思います。
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